土地購入前の調査

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セットバックとは?図面の「接道」と一緒に役所で聞く二つのこと

幅の狭い道に面した土地で、販売図面と道の境界線を見比べる場面のイメージ漫画:図面の「セットバック」の一言で手が止まる読む ▶

販売図面の「セットバック」の一言で、手が止まっていませんか。セットバックとは、前の道の境界線をどこに置くかに関わる言葉です。契約の前に役所で聞く二つのことを、一緒に見ていきましょう。

こんな悩み、ありませんか?

  • 図面の「セットバック」が何のことか分からない
  • どこまで下がるのか、図面のどこにも書いていない
  • 道の真ん中から自分で測ったけど、合っているのか不安
  • 誰に何を聞けば確かな答えが出るのか分からない

図面の「セットバック」は、前の道の境界線がどこに引かれるかに関わる言葉です。建築基準法第四十二条第二項は、幅員(道の幅)四メートル未満の道のうち、特定行政庁(建築の決まりを受け持つ役所)が指定したものを道路とみなす定めです。その道では、中心線から二メートルの線が道路の境界線とみなされます。

ただし、崖地や川などに沿う道や、別の距離が決められた区域や道では、線の位置が変わります。契約の前に、販売図面を持って役所の建築の窓口へ行き、前の道がこの指定を受けた道か、境界線とみなす線がどこかを聞いてください。図面の「接道」は、敷地が道路に二メートル以上接しなければならないという第四十三条第一項の定めに関わります。

場面1: 図面の「セットバック」の一言で手が止まる

美香さんの場面を、4コマ漫画で見ていきます。登場する人と場面は、起こりうる流れを分かりやすくするために作った例です。実在の人や会社ではありません。

美香さんは夫と、気に入った土地の販売図面を家で広げました。図面の隅に「セットバック」と書いてあります。

1コマ目。美香が夫と販売図面を広げ、首をかしげて一か所を指さす。

美香「この「セットバック」って、何のこと?」

2コマ目。夫が気軽に答え、美香は図面の土地の端をなぞって迷う。

夫「道のために、少し下がるってことじゃない?」

美香「どこまで下がるのか、どこにも書いてないよ」

3コマ目。美香が顔をしかめてスマホで調べ、夫が横からのぞき込む。

美香「調べたら、測り方がいくつも出てくる…」

夫「うちの前の道は、どれなんだろう」

4コマ目。美香がスマホを置き、頬づえをついて図面を見つめる。

図面の一言だけでは、どの線が道路の境界線になるのかまでは分かりません。美香さんは、誰に聞けば確かな答えが出るのかも分からずにいました。

この場面で役に立つのは: 下の「『セットバック』が条文に出てこないのはなぜか」の節です。法律が決めているのは建物を下げることではなく、道路の境界線をどの線とみなすかだと知っておけば、図面の一言から役所に何を聞けばよいかが見えてきます。

「セットバック」が条文に出てこないのはなぜか

セットバックは「後ろへ下げる」という意味の言葉で、図面や不動産の資料でよく使われます。けれども、下の表に並べた条文の文には、この言葉は出てきません。法律が書いているのは、建物を下げることではなく、道路の境界線をどの線とみなすかです。

そのため、図面の一語だけでは、どの距離の定めにあたるかまで分かりません。2026年10月11日時点の建築基準法第四十二条では、第二項と第三項に次の文があります。

法令条見出し項号条文の文
建築基準法第四十二条(道路の定義)第二項-都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。
建築基準法第四十二条(道路の定義)第二項-ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
建築基準法第四十二条(道路の定義)第三項-特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。

出典: 「e-Gov法令検索」(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/)(2026年10月11日時点の現行の条文・2026年10月11日取得)を加工して作成

表を読むと、境界線とみなす線の決まり方は、次の三つに分かれます。

  • 第二項の本文: 中心線から二メートルの線です。第一項の定めで指定された区域の中では三メートルで、特定行政庁が支障がないと認めれば二メートルです
  • 第二項のただし書(「ただし、」で始まる二つ目の文): 中心線から二メートル未満のところで崖地や川などに沿う道では、その崖地などの境界線から道の側へ四メートルの線です
  • 第三項: 土地の状況でやむを得ない時は、特定行政庁が別の距離を指定できます。範囲は、中心線からは二メートル未満一・三五メートル以上、崖地などの境界線からは四メートル未満二・七メートル以上です

ただし書の道では、崖や川の側の境界線が、そのまま道路の境界線になります。反対側の線は中心線からではなく、その境界線から測ります。向かいが崖や川なら、この定めにあたるかも窓口で聞いてください。

表は、この相談に関わる項だけを抜き出したものです。県や市の条例に別の定めがあるかも、あわせて聞いてください。

図面の「接道」で何を確かめればいいか

図面の「接道」は、敷地が前の道にどれだけ接しているかを書いたところです。もとになっているのは、建築基準法第四十三条の次の文です。

法令条見出し項号条文の文
建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)--建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)-第一号自動車のみの交通の用に供する道路
建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)-第二号地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)第二項-前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)第二項第一号その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
建築基準法第四十三条(敷地等と道路との関係)第二項第二号その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

出典: 「e-Gov法令検索」(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/)(2026年10月11日時点の現行の条文・2026年10月11日取得)を加工して作成

第一項は、建物の敷地が道路に二メートル以上接しなければならないと定めています。ここでいう道路からは、自動車だけが通る道路と、地区計画で決められた一部の区域の中の道路が除かれます。第四十二条第二項の道は、条文で「道路とみなし」とされているので、幅員四メートル未満でも指定があるかどうかが接道の話につながります。

第二項は、第一項の二メートルの定めを当てはめない建物を決めています。第一号は特定行政庁が認めるもの、第二号は建築審査会(建築の許可などを話し合う会)の同意を得て許可したものです。どちらも条文の主語は「建築物」なので、土地ではなく建てる家ごとに判断されます。

その土地に家を建てられるかは、条文を読むだけでは決まらず、役所が土地や建てる家ごとに判断します。図面に接している長さが書いてあっても、前の道が条文の「道路」にあたるかは、別に確かめます。

契約の前に役所で何をどう聞くか

おすすめは、不動産会社に聞く前に、販売図面を持って役所の建築の窓口へ行く方法です。第四十二条第二項の文では、道を指定するのは特定行政庁です。図面の「セットバック」はその指定に関わる言葉なので、指定したもとの役所で聞けば、言い換えによる食い違いが入りません。

先に役所の答えを持っていると、不動産会社への質問も、線の位置をもとに具体的にできます。

  1. 販売図面から、土地の地番と前の道の幅を書き写す
  2. 役所に、建築の窓口がどこかを聞く(町によっては県の出先が受け持つことがあります)
  3. 窓口で、下の二つを順に聞き、答えた窓口の名前と日付を控える

窓口では、次のように聞いてください。

  • 「前の道は、建築基準法第四十二条第二項の道として指定されていますか。境界線とみなす線は、中心線から何メートルですか。ただし書や第三項の指定はありますか」
  • 「その線を道路の境界線とした時、この敷地は道路に二メートル以上接しますか。接しない場合は、第四十三条第二項の話になるかも教えてください」

役所の答えが出たら、不動産会社に次の二つを聞き、答えを書面でもらいます。

  • 図面の土地の面積に、境界線とみなす線より道路側の部分が入っているか
  • その部分にある塀や門を、建てる時にどうするか、工事の費用は誰が持つか

線より道路側は、条文の上では道路の扱いになります。面積の数字や塀の工事のことは、契約の後に分かると、話し直すのが難しくなります。

場面2: 現地で道の真ん中を目で決めて測ってしまう

役所へ行く前に自分たちで確かめようと、二人は週末、巻き尺を持って土地へ行きました。

1コマ目。夫が細い道の真ん中あたりで巻き尺を押さえ、美香が土地の側で持つ。

夫「このへんが、道の真ん中かな」

2コマ目。美香が巻き尺を塀まで伸ばし、夫は安心した顔で親指を立てる。

夫「塀のちょっと手前までだね。これなら大丈夫そう」

美香「目で決めた真ん中で、合ってるのかな」

3コマ目。美香が道の向かいを流れる小さな川に気づき、驚いて指さす。

美香「向かいは川だね。これも関係あるのかな」

夫「…どうなんだろう」

4コマ目。美香が考え込みながら巻き尺を巻き取り、夫は頭をかく。

道の様子や区域によっては、測り始めの線や距離が変わることがあります。二人は、自分たちで測った線で安心するのをやめました。

この場面で役に立つのは: 下の「ここで間違えやすいのはどこか」の節です。区域によって距離が変わることや、川などに沿う道では測り始めの線が変わることを知っていれば、巻き尺ではなく役所の答えで線の位置を決めようと思えました。

ここで間違えやすいのはどこか

  • 「中心線から二メートル」だけを覚えて自分で測る: 現地で道の真ん中を目で決め、そこから二メートルを測って安心してしまう形です。表のとおり、区域によっては三メートルになり、ただし書や第三項では測り始めの線や距離が変わります。線の位置は、役所の答えで決めます
  • 「許可が出るはず」と聞いて申し込む: 第四十三条第二項の認定や許可は、建てる家ごとに特定行政庁が判断します。見込みを口で聞いただけでは、その家に認定や許可が出たことにはなりません。契約の前に、どこまで決まっているかを書面で確かめてください

聞き終えたかを見分けるには

次の三つに、一行ずつ答えを書ければ、聞き取りは終わりです。

  • 前の道の種類と、境界線とみなす線の位置(役所の答え)
  • その線で測って、敷地が道路に二メートル以上接するか(役所の答え)
  • 線より道路側の面積と、塀や門の扱い(不動産会社の書面)

空いている行があれば、そこが契約の前に残っている質問です。

参考・出典

この記事は一般的な情報です。個別の事情や判断については、専門家や関係する窓口へご確認ください。

この記事について

書いた人
ラスタライズ株式会社(代表 石黒文康)。AIが下書きし、公開前に機械の検査と別のAIによる事実・法的リスクの検査を通しています。
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出典の扱い
本文の数字や制度は、上の「参考・出典」のページを実際に開いて確かめたものだけを載せています。

買い手の側に立って、契約前に確かめるべき点を資料と一緒に整理します。

土地の資料を一緒に読む相談(セカンドオピニオン)

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